このコラムは宮崎中央新聞に連載されたものです。
 
  太陽と仲良くできる家 思いやりや気配りの心を育てる家
  風と仲良く遊べる家 先祖やお年寄りを大事にできる家
  家族が仲良く暮らせる家 隣の人、その隣の人を大事にできる家
  お父さんが元気に働ける家 「親子断絶の階段」が玄関にない家
  お母さんが楽しく働ける家 玄関でおもてなしができる家
  ●美しく歳を重ねる家  
 
 

 よく「人に迷惑をかけたらいかんよ」と言われて育てられた人もいると思う。ここでいう「迷惑」とは人を傷つけたり、お金を借りて返さなかったり、そんな状況だと思うのだが、誰にも迷惑を掛けないで生きるなんて無理だ。本当にそうしたかったら無人島で生活するのがいい。所詮、人生というのは人に迷惑を掛け合って生きることではないだろうか。だから、せめて人のお役に立つ人間になろうという気持ちが出てくる。「ごめん」「ありがとう」という言葉もそんな人間関係から生まれてきたのではないか。

 そんな視点に立って家づくりを考えてみると、やはり、「住む」ということは「生活する」ということだし、それは家を中心にその地域で生きていくことに他ならない。だから地域社会に如何に溶け込める家にしていくかということが大事である。

 家を建てた。思い通りの素敵な家が出来た。でも隣近所の人と挨拶もなかったり、ちょっとしたことでもめごとがあったりしたら、どんなに素敵な家でも、そこでの生活はハッピーとは言えない。隣近所の人たちといい人間関係があったら、借家であってもその家と言うか、その土地にずっと住みたいと思うだろう。

 だから時には助け合い、迷惑を掛け合い、「ごめんね」「いつもありがとね」と言い合って暮らすことこそ、とりもなおさず心豊かな生活と言えるだろう。

 地域に壁を作らず、地域に溶け込む家づくりは、地域の人の視点にも立って家を設計するということだ。例えば、道路に向かって花壇を作ってみる。ちょっと離れてその家を見てみると、花壇は額縁となり、家という「絵」を引き立て、その前を通る人を気持ちよくしてしまうだろう。 家を作ろうとする人は、「こんな家に住みたい」というイメージがあると思うが、同時に、家が地域と溶け込んでいる風景もイメージしながら家づくりを考えて欲しい。

ご意見・ご感想