このコラムは宮崎中央新聞に連載されたものです。
 
  太陽と仲良くできる家 思いやりや気配りの心を育てる家
  風と仲良く遊べる家 先祖やお年寄りを大事にできる家
  家族が仲良く暮らせる家 隣の人、その隣の人を大事にできる家
  お父さんが元気に働ける家 「親子断絶の階段」が玄関にない家
  お母さんが楽しく働ける家 玄関でおもてなしができる家
  ●美しく歳を重ねる家  
 
 

 子供の頃、勉強を始めるといつの間にか茶の間のテレビの音が消えていた。当時は、障子とふすまで仕切られていた家がほとんどで、子供部屋も個室ではなく、一つの部屋の片隅に机を置いていただけなので、子供が勉強を始めると親は気を使ってテレビを消したり、音を小さくしていたのだ。

 家は、「家族」といえども共同生活の場だから、お互いに思いやりの関係が不可欠だ。そして家も地域コミュニティの中にあることを考えると、「自分さえよければいい」というわけにはいかない。

 僕は、温かみのある、優しい木材をふんだんに使った家づくりを勧めている。優しい素材で作られた家は住む人に大切に使おうという思いやりの心を育てると信じているからだ。 と当時に外から見える部分、例えば、我が家の塀には十数年前に植えたアイビーが、塀全体を覆っている。

 先日剪定をしていると近所の人が「少し分けて下さい」と声を掛けてきて、「いつもきれいだなと思ってこの前を通っているんですよ」と付け加えてくれた。常日頃、近所の人たちにも気配りができる家づくりを心がけているので嬉しかった。

 最近、家の中が個室化していたり、近所付き合いのない家が多い。当然、そんな住環境の中にいると、家族に対する思いやりや近所に対する気配りが薄れてしまうように思えるのは僕だけだろうか。

 気配り、思いやりの心を育てる基本は住環境にあると僕は思っている。

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