このコラムは宮崎中央新聞に連載されたものです。
 
  太陽と仲良くできる家 思いやりや気配りの心を育てる家
  風と仲良く遊べる家 先祖やお年寄りを大事にできる家
  家族が仲良く暮らせる家 隣の人、その隣の人を大事にできる家
  お父さんが元気に働ける家 「親子断絶の階段」が玄関にない家
  お母さんが楽しく働ける家 玄関でおもてなしができる家
  ●美しく歳を重ねる家  
 
 

  日本の家は住めば住むほど安くなるが、アメリカの家は古くなっても結構高い値で売れるという。文化の違い、価値観の違い、いろんな要因はあると思うが、基本的にアメリカ人は自分の家は自分でメンテナンスする。壁のペンキ塗りも定期的に自分たちでする。家の健康管理とか、家のおしゃれにも相当気を使っている。はて?あなたはどれだけ自分の家の健康管理が出来ていますか。

 家というのは生きている。人が住まなくなるとあっという間に荒れ果てていく。まるで人生を投げ出した人が急に老け込んで、そして死んでいくかのように。しかし、人が住みはじめ、家に「気」を吹き込んでやると瞬く間に家は元気になる。住む人と家の関係も人間関係と同じようにどうも愛情が大きく影響しているようだ。

  「柱のキズはおととしの…」という歌があるが、この歌は家に柱があって、キズがついているという歌ではない。この歌を聞くと、家と家族が仲良く暮らしている情景が浮かんでくる。一つ一つの「柱のキズ」は大樹の年輪のように住む人の成長をじっと家は見守っているかのようだ。

 住む人が年を取るように、家もまた年を取る。古くなった家は壊される。だけど「柱のキズ」のある家を壊せるだろうか。きちんとメンテナンスをし、所々リフォームするだけで、古い家は古いなりに情緒を醸し出す。「これはおじいちゃんが子どもの頃につけた傷よ」。そんな会話が聞こえる家が町のあちこちにあったらいい。

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