このコラムは宮崎中央新聞に連載されたものです。
 
  太陽と仲良くできる家 思いやりや気配りの心を育てる家
  風と仲良く遊べる家 先祖やお年寄りを大事にできる家
  家族が仲良く暮らせる家 隣の人、その隣の人を大事にできる家
  お父さんが元気に働ける家 「親子断絶の階段」が玄関にない家
  お母さんが楽しく働ける家 玄関でおもてなしができる家
  ●美しく歳を重ねる家  
 
 

 暑い夏の日の昼過ぎ、昼寝をしていると風が遊びに来ることがあった。汗ばんだ体に冷たい風はとても心地よかった。また吹いて来ないなかぁと、またいつ来るかも分からない風を待っている。遠い昔の子供時代、そんな思い出が僕の原風景の中にある。

 家の中で自然の風を感じて楽しめたらどんなにいいだろう。木の葉や笹の葉が風と奏でる音、夏の風にくすぐられて微笑む風鈴の音に涼しさを感じ、ふと暑さを忘れることがある。春には桜やジャスミンの香り、秋にはキンモクセイの香り、風はそれぞれの季節の香りを運んでくれる。

 日本の冬の文化の一つにいろりがあった。昔の家は隙間風が多いので家族がみんないろりの回りに集まって暖を取っていた。冷たい北風は家族の心を暖かくしたのかもしれない。

 暑い空気は高い所に集まるので宮崎の家に吹き抜けはよく似合う。風が家の中に入ろうとしても抜ける場所がないと入ってこれない。吹き抜けがあることで風も安心して家の中に入ってこれる。また、よく西日を避けるために家の西側をシャットアウトしがちだが、宮崎の場合、夏の夜は西風がよく吹くので、風の道を考えると西の開口も大切にしてあげて欲しい。

 日本の四季、宮崎の風土の良さを住空間に生かせたらなぁと思うような年になったのだろう。

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